マンガワンで連載中の「血と灰の女王」には敵味方様々なキャラクターが登場し、その1人1人に複雑な背景や野望、思いがあり誰しも魅力的です。
ですがそんなキャラクター達の中でも圧倒的に人気なのが“狩野 京児(カリノ キョウジ)”(通称:兄貴)であり、登場人物達のみからだけでなく読者からも慕われている存在です。読者はなぜ彼に惹かれ、登場人物達はなぜ彼を頼りにするのか。その理由を考察していきます。
「‥‥…オレは、殺し合いが好きだ。BOSSが好きだ。子供がちょっと好きだ。狩野京児だ。よろしく。」
目次
「狂気と理性の男」狩野京児の強さや能力、性格について
狩野京児は電気を操る全身黒い甲殻に覆われて尻尾が生えたヴァンパイアであり、真祖ドミノが率いるチームの2の実力の持ち主であると作中で言及されています。彼は血と灰の女王が連載した初期からいるキャラクターで、登場して自己紹介した際の言葉が「‥‥‥オレは、殺し合いが好きだ。BOSSが好きだ。
子供がちょっと好きだ。狩野京児だ。よろしく。」です。このあまりに短い自己紹介に思わず「おわり…?」とツッコミが入っていましたが、彼いわく短くて簡潔でベストだそうです。
彼の能力は体に溜めた電気を利用するもので、初期では落雷の様なものを使用したり、自身の拳にまとわせて力だけは互角の相手の腕を破壊したりしてました(正直これだけでもかなり強力で序盤から敵をぶっ飛ばしまくっていましたが(笑))。
更に物語が進むと、兄貴が望んだままの形に変形し、触れれば激痛と衝撃が相手を襲う“黒雷(ネグロボルト)”を会得します。これが恐ろしいところは、戦闘においてセンスの塊である兄貴が使用すると様々な道具になるのみでなく、戦術の一部となることで相手を確実に追い詰める手段になりえるところです。ちなみに、帯電能力を使用して携帯の充電もできるんだとか笑。
また兄貴は能力のみでなく、戦闘センスもずば抜けて優れています。ヴァンパイアの力を得る前、不良3人相手に素手で圧勝しています。兄貴いわく、暴力が殴るのも殴られるのも込みで好きだったらしいです(この時点で勝てる気がしませんが)。
戦闘時のどんな場面でも理性的であり、能力も力も格上だった相手に対して煽り散らかすことで自身は負傷するも相手を半殺しにするという成果もあげており、しまいには約10年は武道に勤しんだ味方に結果を申し込まれても返り討ちにするほどで、戦闘において彼に勝るものはほんの一握りでしょう。
暴力を楽しみ、理性に徹していること。人は彼を「狂気と理性の男」と呼んでいます。
何が兄貴をそうさせた?狂気と理性の男:狩野京児の過去
殺し合いが好き、BOSSが好き、子供がちょっと好きな兄貴ですが、何か過去に深いトラウマなどがあるのでしょうか?
結論を言います。彼を変えてしまったような過去、出来事といったものは「何もありません」。私も最初読み返しましたが、ほんとに何もないそうです。
両親はまともで親族にも犯罪者は存在せず、性的虐待といった過去もありません。何も理由がないとは言ってもさすがは理性の男、兄貴のことは兄貴が一番分かっているようです。「つまり…生まれ持った性(さが)」と。
兄貴は殺し合いも好きといっていますが、実は能力を得る前は殺しを一度もしていません。その理由は実ははっきりしています。
結論、“人を殺すと社会的弱者になり関係ない家族もろとも生きにくくなる”からだそうです。なので不良と喧嘩(兄貴が一方的ですが)する際は息の根が止まるギリギリまで痛めつけて楽しんでいたそうです(汗)。
感情に流されない兄貴、憧れます笑!ですが、能力を得た後はヴァンパイアを殺しても罪にならないので、ヴァンパイアの殺戮をして溜めていたものを発散させていましたけどね笑。
兄貴は子供がちょっと好きだそうです。これは「18.5話:空に光る星よりも」より、兄貴本人から説明がなされています。兄貴はガキの頃、近所にパン屋があったそうです(つぶれてしまったらしいですが)。
そばを通ると、パンを焼くいい香りがして、その香りを嗅ぐとちょっと気分が良かったんだとか。それは暴力で得られる激しい興奮や強烈な快楽とは異なり、心がふわふわして心地よくなるんだとか。「子供を見るとな、そのパンの香りを思い出す。」
だから兄貴は子供がちょっと好きなんですって。(ちなみに18.5話は物語に直接関係しませんが、読者が兄貴という人間に惹かれるキーポイントとなる話なので、ぜひ一読下さい)
狂気と理性の男:狩野京児の活躍〜ひとりぼっちのマーメイド戦〜(*ネタバレ有り)
ここからは兄貴の具体的な活躍を示すべく、少し序盤のネタバレを挟んで解説していきます。(ネタバレが嫌な方はまとめにとんでください)
兄貴は後輩と2人でマーメイド型のヴァンパイアと交戦していました。敵の能力は“分裂体”であり、自身の複製や宙を泳ぐ魚型の分裂体で相手の肉を蝕んだり、分裂体による壁を生成したりと中・長距離の戦闘を仕掛けてきます。
一方、兄貴や佐神の射程はこの頃せいぜい短・中距離であり、単純な力も圧倒的に不利、更に宙を泳いでどこまでも付いてくるヴァンパイアに対して文字通り手も足も出せません。更に後輩は分裂体の魚たちによって体を蝕まれてしまい、絶体絶命のピンチです。敵が隠れてどこか分からない状況で、兄貴は動きました。(ここから兄貴節が始まります!)
兄貴は変身を解いたまま、見えやすい位置に移動して敵に対し、「大学の1限がぁ…朝の9時に入ってる。」などと自分のスケジュールを伝え始め、戦いに30分しかかけることができないと呟き始めます。これには敵も困惑しつつも、生身の兄貴に攻撃、兄貴の肩が食いちぎられますが、何も気にしない様子で更に続けます。最後は自ら左腕をもぎ、自身が溜めていた電力も放出しきったと思えば
「…あ”あ“、口に出さなきゃ、理解できない?」
「バ・カ・にぃ!!されてんだよぉ!!お前はオレに!!弟の死に何も感じねぇ!!大っ嫌いな男になぁ!!」(このような罵倒のセリフが1ページ埋まり切るくらいに書かれています汗)
兄貴は事前の詮索により敵がどんな人間なのかを知り、それを利用して罵倒を続けるのです。
「ヘイ!カモァ———ン!」
この一言で静寂仕切ったかと思えば、後ろから床を破壊しながら敵が現れ、後輩の肉を蝕んでいた魚もすべて回収し、全力で兄貴の前に立ちはだかりました。これで後輩の体は蝕まれることもなく、更には得意の接近戦にまで持ち込みました。
無論、兄貴の体は千切れたままです。ヴァンパイアには再生能力も備わっていますが、兄貴の回復は間に合っていません汗。敵は容赦するはずもなく殴り掛かりますが、感情むき出しの攻撃は理性の男:狩野京児にとって攻撃予告をするも同じ、攻撃を避けつつ張り付き続け、敵が慢心した時
「心臓がガラ空きだ」
とだけ言い、ヴァンパイアの弱点である心臓に今まで隠しておいた尻尾を突き刺すことで実質勝敗を決しました。(この後後輩と敵のやり取りがありますが割愛します)
【まとめ】兄貴と「血と灰の女王」
戦闘においてその狂気と理性で敵を圧倒し、兄貴自身が生まれ持ったセンスの良さや人の面倒見の良さ、料理も実はとても上手くて高学歴、仲間の信頼の重さなど今回紹介しきれていない部分も含めて、この狩野京児というキャラクターは男の理想の詰め合わせセットの様な人だなと思いました。
強き者は求められるらしいですが、兄貴が読者から求められる要因の1つは開設したこれらであるなと思います。私も兄貴大好きです笑!!!
「血と灰の女王」はマンガワンで2016年から2022年現在も連載が続く看板作品であり、当初は打ち切りするかもしれないというピンチにもさらされていましたが、そのストーリーを愛する読者からの応援もあって今に至ります。
物語の面白さも人気も右肩上がりになっており、ぜひ皆さんも漫画を読んでみて兄貴という供給口を作ってみてはいかがでしょうか。
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