味方がおらずハンデのある小さな王子だってきっと王様になれる![王様ランキング/十日草輔]

「王様ランキング」/十日草輔

2017年5月からマンガハックにて連載中、2021年10月よりアニメ放送が始まりました。

TwitterなどのSNSでも大人気の作品です。

耳が聞こえず、言葉を喋ることもできない、おまけに力もない小さなボッジ王子が王になることを目指し、仲間と信頼関係を築き上げ、共に成長をしていく感動ストーリーです。

クスリと笑える描写やバトル部分もあるので、男性でも女性でも楽しめる作品になっています。

【あらすじ】耳が聞こえず喋れない主人公

耳が聞こえず、喋れないという少し特性のある主人公『ボッジ王子】

耳が聞こえないという特性からか読唇術(唇の動きで言葉を読み取ること)が優れており、城や街の人間からの自身へのひどい罵倒などにも気づいているようです。

優秀な弟『ダイダ』と比べられても、否定されても、にこにこと笑顔を絶やさずに「変わり者」と言われても気づかないふりで過ごしていました。

ある日、『ボッジ王子』は影の一族『カゲ』と出会い『カゲ』と意思疎通が図れることに気づきます。

『カゲ』から「金を出せ」とカツアゲをされるが言葉が通じた嬉しさから、その場で『カゲ』に言われるがまま着ていた衣類を脱ぎ『カゲ』に譲ってしまいました。

翌日もその翌日も、城からもっと高そうな服をたくさん着ていき『カゲ』に譲りました。

『カゲ』と別れ、王冠にパンツ一丁の姿で城まで帰る途中、その姿を目撃した街の人々からバカにされるも笑顔で通りすぎる『ボッジ王子』。

そんな姿で出歩く『ボッジ王子』の話を聞きつけた継母『ヒリング』は憤り、非情にも『ボッジ王子』の目の前で「口もきけないし、耳も聞こえない」「あなたには王になる資格はない」「ダイダの方が王にふさわしい」と言い放ってしまいました…。

5つの見どころ

【継母ヒリングの想い】

「死刑よ!」「死刑にしなさい!」が口癖の、ヒステリーな継母『ヒリング』。

『ダイダ』の実の母でもあります。

ボッジ王子の目の前できつい言葉を吐き、王になる資格がないとまで言い放ったことから『ヒリング』に対する不信感を抱いてしまう方も少なくはないかと思います。

ですが、そんな刺々しい言葉の裏には『ヒリング』のボッジ王子への特別な想いがありました。

【ボッジ王子とダイダの兄弟喧嘩】

剣で勝負することになったボッジ王子と『ダイダ』

正々堂々正面から武器を振りかざす『ダイダ』と、それを避けながらも隙を見つけて反撃するボッジ王子。

それをみた城の家臣たちは、ボッジ王子の戦い方は嫌われる戦い方だと、卑怯だと非難します。

【ボッジ王子の成長】

ハンデがあり非力ながらも、思いやりと洞察力に優れているボッジ王子。

そんなボッジ王子の優しさに気づいている『ホクロ』、友となった『カゲ』、家臣の『ドーマス』と共に継母『ヒリング』の実家へと手紙を届けに行くことを許されました。

道中たくさんの困難が待ち受けるも、それを乗り越えながら進み成長していくボッジ王子の姿は、つらい努力は必ず成長に繋がり決して無駄にならないことを教えてくれます。

【仲間の裏切り】

ヒリングの実家への旅路を共にしていた、ボッジ王子を守ると約束をした仲間の裏切り・・・

ネタバレになってしまうため詳しく書くことはできませんが、まさか!と思うような展開です。

【デスパーとの出会い】

ボッジ王子の師となる『デスパー』(アニメ版だとcv櫻井孝宏さんです!)との出会い。

出会い自体はあまり感動できるものではありませんが、1番の見どころです。

『デスパー』本人はカゲにもドン引きされてしまうほどとても弱いのですが(一般の民衆にボコボコにされてしまうほどの弱さ…)、ボッジ王子への的確なアドバイスはボッジ王子を深みのある人間へと成長させます。

「ホクロ」と「ヘビン」が良いキャラで魅力的なワケ

どのキャラクターも魅力的ですが、私が1番好きなのは、ホクロ、べビンです。

「ホクロ」の魅力とは?

ホクロは最初はほとんど頼りにならず不安になってしまいましたが、ボッジ王子と共に旅をしていくことでホクロ自身も成長し、強さを手に入れていきます。

名前からしてちょっとお笑いキャラなのかな?と思いましたが、しっかりとしたキャラクターです。

特にホクロの責任感と潔さは素晴らしく「あぁ、信用できる男の人だ…」と思い、お笑いキャラだと思ってしまった自分を恥じました。

「ヘビン」の魅力とは?

次にべビンですが、最初は敵か味方かわからない立ち位置でカゲに攻撃したということもあり、かなり不快に感じました。

その後も少し不信に思う描写もありましたが、べビンは過去にボッジ王子に蛇を助けてもらったことからボッジ王子に感謝しており、ボッジ王子対して敵意はないように感じました。

その蛇もボッジ王子になついているようですが、ボッジ王子と会っていたことはべビンに知られたくないと言います。

ここでまた敵なのか味方なのか?といった疑問が湧いてしまい、そればかり考えてしまうようになりました。

でも、そこが魅力的なのです。

わからないからこそ、べビンが登場するとドキドキしてしまいます。

気にせずにはいられないキャラクターです。

優しいボッジ王子と王国の未来が幸せで満たされますように!

主人公の言葉がなくても進んでいくストーリーは新鮮で、すぐに王様ランキングの世界へと引き込まれてしまいました。

キャラクターの背景や描き分けなどもしっかりしていて、それぞれ魅力たっぷりです。(ホクロ、べビンお忘れなく!)

魔物や魔人の恐ろしさ、おどろおどろしい感じもよく伝わってきます。

少しだけ名前が雑なキャラクターもいますが(ホクロなど)、わかりやすく、クスッとなってしまます。

ボッジ王子に感情移入し、読み進めながら何度も涙を流しました。

デスパーとの出会いから少しだけボッジ王子の顔つきが変わったように見えるのは、きっとボッジ王子の成長と共に私の感情も動いたからではないかと思います。

なんとなく、ボッジ王子の言葉がこちら側にも伝わって来る気もします。

最初は好きじゃなかったキャラも今では大好き!

最初は好きになれなかったヒリングも、今では大好きなキャラクターです。

それぞれの思いが交差し、うまくまとまらない王国ですが、とても優しいボッジ王子と王国の未来が幸せで満たされますようにと願っています。

スキマ時間に…などと言わず、ぜひ時間をつくって作品に触れてみてください。

その際はティッシュも忘れずに横に置きましょう。

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