漫画「魔人探偵脳噛ネウロ」の根強い人気の理由とは?その3つの理由を紹介!

魔人探偵脳噛ネウロ」は、「暗殺教室」の作者である松井優征先生の前作であり、デビュー作でもあります。「暗殺教室」については、実写映画化までされた作品なので、有名かと思います。

ですが、「魔人探偵脳噛ネウロ」は、あまり知られていないかもしれません。しかし、この漫画、実は知る人ぞ知る、名作で、連載終了した今でも根強いファンがいるのです。

今回は、その「魔人探偵脳噛ネウロ」の魅力について掘り下げていきたいと思います。

キャラクターがとにかく個性的

まずひとつ目の魅力は、なんといってもキャラクターが個性的という点です。主人公のネウロは、魔界からやってきた魔人。

人間ではありません。ネウロの食糧は、なんと「謎」。事件の謎解きをすることが食糧という、斬新な設定。

しかし、人間界で魔人としての正体がバレてはいけないので、女子高生の弥子を脅して「女子高生探偵」という役をさせ、ネウロが影で謎解きをしていく、というストーリーです。そ

もそもこのネウロ、どうしてわざわざ人間界に出てきたのか。それは、魔界では「謎」を食い尽くしてしまい、食糧が無くなってしまったから。

つまり、とんでもない食いしん坊ということになります。しかも、このネウロの性格がとんでもない。

不遜な態度、自己中、しかもドSで、暇さえあれば弥子を相手に拷問や言葉責めを繰り返す、いわば「外道」。

なんだこいつ…。と思うかもしれませんが、ネウロの隠れ蓑として選ばれた、女子高生の弥子。実は、この弥子もただ者ではないのです…。

ただの女子高生と思いきや、ネウロのドSな性格に耐えうる精神力、ツッコミ力、適応能力…。

更に、ネウロ同様に食欲も凄まじい。「寿司を食べすぎて回転寿司のレーンを回らなくする」「一人でホテルのバイキングを全メニュー撃沈させる」など…。

合わないようで絶妙に噛み合っている二人の掛け合いが見事です。この二人を支える周りのキャラクターもなんとも個性的です。

探偵事務所の秘書である「アカネ」ですが、なんとこのアカネちゃん、人間ではなく髪の毛!元死体の少女で、髪の毛だけが生き返ってしまったので探偵事務所の秘書として働いているという、斬新な設定。

どうやらとんでもない美少女…らしいのですが、何しろ死体で顔が見えないので、真偽は不明。ファンの間では、影のヒロインとも呼ばれる存在です。

バランスが取れたストーリー

真・群青戦記

前述のキャラクターについて記載した通り、既に、かなり個性的でカオスな漫画であることは理解してもらえたのではないかと思います。

「魔人探偵脳噛ネウロ」は、タイトルにも「探偵」とあるくらいですから、最初に読んだ時は、ミステリー漫画だと思われるかもしれません。

しかし、実はまったく違う。作者自身も「推理物の皮を被った単純娯楽漫画」と語っています。

殺人事件や謎解きはあるのですが、謎を解く過程で、ネウロが「魔界能力」を使ってトリックを解いてしまったり、そのトリック自体も、「それは無理だろ!」と思うような実現不可能なものだったりするので、ツッコミどころ満載です。

また、ネウロの傲慢でドSな性格も、絶妙なギャグノリと弥子のツッコミのおかげで、笑いに変わっています。

そして、ギャグだけではなく、シリアスなシーンとのバランスが取れていて、思わず泣きそうになる場面も。何よりすごいと感じるのが、細い伏線があちこちに張られていることです。

ネウロの台詞だったり、キャラクターの関係性だったり、思わぬところで繋がっているので、読んでいて驚くことがあります。

そのため、とても読み応えのある、何度も読み返すことができるストーリーです。一見、ごちゃごちゃしたカオスな漫画に見えるかもしれませんが、読んでみると、とても計算された漫画です。

主人公たちの成長

対決

3つめの魅力は、主人公のネウロと、弥子の成長です。主人公のネウロは、とても頭が良く、どんな謎でもすぐに解いてしまいます。

そのため、最初人間のことを見下して「食糧を得るための道具」としてしか見ていません。弥子のことも、「ウジムシ」「ナメクジ」など、見下した呼び名で呼んでいます。

しかし、ストーリーが進むにつれて、その心境にも変化が。そして同様に、弥子自身もネウロと共に謎を解いていく過程で、人間として成長していきます。

時には本気で衝突して、離れてしまったことも。しかし、最後には互いに認め合い、ついに対等の目線になるシーンがあります。

最初に出会った頃には反発ばかりで、喧嘩ばかりだったのに、相手のことを認めあったこの瞬間には、読者は思わず「やっとだ!」と思ってしまうでしょう。

漫画のジャンルとしては、「魔人探偵脳噛ネウロ」は、かなりマニアックな内容かもしれません。

しかし、主人公の二人が協力して試練を乗り越えて「成長する」という点においては、とても王道のストーリーなのかもしれません。

最初は、「なんだこの漫画?」と思ったのですが、読み終わったあとの爽快感、すっきする感覚は最高でした。

この独特の感覚は「魔人探偵脳噛ネウロ」でしか味わえないものでした。

「魔人探偵脳噛ネウロ」は隠れた名作

まとめ

いかがだったでしょうか。今回紹介した「魔人探偵脳噛ネウロ」は、連載終了した今でも根強いファンが多く、実は隠れた名作といえるでしょう。

とはいえ、やはり特殊で個性的な漫画ではありますので、これまで読まなかった人もいるかもしれません。手に取るのはちょっとハードルが高いかも…。

けれど、食わず嫌いせず、一度読んでみてください。想像している漫画とはまったく違うはずです。

個性的なキャラクターたちに引き込まれ、ストーリーの繊細さと緻密さに驚かされ、主人公二人の成長には思わず感動させられます。

今回挙げた他にも、この漫画にはたくさんの魅力と面白さがありますが、それは実際に読んでみて確認してください。きっと引き込まれます。