【口コミ】何も知らない中年男性が『ザ・ファブル』を読んでドはまりした件

某出版社のアプリで漫画を閲覧していた時に、「『ザ・ファブル』全巻無料」という広告が目に飛び込んできました。

『ザ・ファブル』と聞くと、以前、V6の岡田くん(岡田准一)が主演の映画が流行ったということしか知らず、当然その映画も見に行っておらず・・・

まさしく無知な状態で、「とりあえず読んでみるか」という気持ちで読み始めたのですが、元よりガンアクション好きな私にとってドストライクな内容であり、またキャラクター一人一人の個性が際立っている点も、裏社会の話ではあるもののほっこりしてしまう…。

そんな内容の漫画です。

圧倒的硬派!主人公佐藤明がかっこよすぎる

伝説的な強さを持つ殺し屋として裏社会に名をはせていた『ファブル』。そのファブルの一人、それがこの物語の主人公である「佐藤明」です。

この男、どれほど強いかというと、当たり前のように弾丸を避け、気づいたら気絶していたという早業で相手を倒します。

ただ、これほどまでに超人的な強さを持った佐藤明ですが、決して怖い野蛮な人間というわけではありません。佐藤は、ただプロとして仕事をしているだけなのです。

あくまでも「殺し」を「仕事」として請負い、ターゲットとされている人間以外は決して巻き込まない、「プロとして」のプライドを随所に覗かせます。

また、殺し屋という仕事をしていますが、仕事以外の顔は鳥を飼ってみたり、あるお笑い芸人のギャグが大好きで、録画を取りまとめ爆笑するようなチャーミングな一面があります。

そんな佐藤はある日ボスから「1年間殺し屋を休業しろ」という指令を受けました。そしてこの時生まれた名前が「佐藤明」という名前(=偽名)です。

すなわち、佐藤明の本名はわかりません。裏社会ではファブルと呼ばれていた男が表社会においては「佐藤明」として生きていくきっかけとなったのは、まさしく殺し屋のボスからの指令に他なりませんでした。

そして、「佐藤明」として1年間平穏な日々を送るはずだったものの、佐藤は様々なトラブルに巻き込まれていくのでした。

圧倒的小悪魔!佐藤明の妹、佐藤洋子が可愛すぎる

佐藤明の妹として行動を共にすることとなった佐藤洋子。この女もまた、かつては佐藤明と同様組織に属していました。当然、戦闘力は人並み外れており、洋子もまた立派な戦闘員の一人でした。

そんな洋子の強みは、圧倒的な記憶力とアルコール耐性。話の中で、「ばらばらにバラしたピストルを元の形に直してほしい」という依頼が、暴力団から佐藤兄弟に伝えられるシーンがありました。

初めに、兄の明がピストルの復元に取り組みましたが、あまりにも部品がバラバラであるため元通りに復元することは難しいと考えられました。

しかし、妹の洋子はこのピストルを見事に復元させます。それは、洋子の驚異的な記憶力をもってしてしか不可能な復元作業でした。

また、もう一つの強みとして、驚異的にアルコールに強いという特徴が挙げられます。

洋子は一般人として暮らす中で暇を持て余すようになっていました。そんな中、自身の酒への強さを武器に、暇をつぶすため知り合った男たちを酒でつぶすという遊びに手を染め始めます。

これだけ聞くと一見、ただの性悪な女というイメージつきかねませんが、物語では、佐藤洋子は常に相手のことを愛おしく思い、きらきら瞳を輝かせながら一人一人男たちを酔いつぶしていきます。

初めは男たちもワンナイトを期待して近寄ってきますが、あえなく皆撃沈していく姿は、アルコールクイーン洋子の存在感を強めます。

圧倒的舎弟感!黒ちゃんの冒険

真黒組の若手として描かれている黒塩(通称黒ちゃん)は、佐藤明がファブルということを知り、憧れを描き始めます。

当時兄貴分であった海老原は、殺しに憧れを持つ黒ちゃんを見て、「そんなものに憧れを持つんじゃない」と諭します。

しかし、そんな兄の心はつゆ知らず、黒ちゃんは憧れの男、佐藤明にどんどん近づいていきます。

そんなある日、黒ちゃんはついに佐藤明に弟子入りし、明と共に山に修行へ向かいます。これは明からするとただの散歩だそうですが、黒ちゃんは早々に体がついていかなくなってしまいました。

そんな中、二人は山の中で大きなクマに遭遇してしまいます。

「クマに遭遇した時は…」と明からアドバイスを受けていたクロちゃんですが、いざ遭遇してみると思っていたように動けない自分がいました。

絶体絶命の黒ちゃんでしたが、その場に駆け付けた明によって黒ちゃんは助けられ、ますます明に惚れ込むようになっていきました。

「少しでも強く、少しでも兄さん(明)のようになるために」クロちゃんはボクシングジムに通い始めます。しかしそこで突き付けられた現実の壁は大きく、明への道のりはとても遠いものでした。

しかし、それでも黒ちゃんは憧れの明、洋子の近づくためにトレーニングを欠かさないのでした。

『ザ・ファブル』を読み終えて

この作品を読み終えたときの率直な感想としては「あぁ終わってしまったなぁ」という名残惜しい印象を受けました。

それだけ、キャラ一人一人の個性、ストーリーの展開に没頭して読むことが出来たのだと思います。

また、この作品の素晴らしい点は、一人一人が自分の役割を認識し、自分の仕事を「プロとして」成し遂げようとするプロ意識を見せる一方で、そのなかでも皆人情があり、複雑な利害関係が絡み合う中でも、時に命を懸けて助け合う。そのような描写が現代に欠けているものに気づかせてくれたような気がしました。

仕事を「プロとして」行うことも、困っている人がいたときは「手を差し伸べる」ことも、普段何気なく生きていると忘れがちなことですが、それを気づかせてくれた人が、ファブル、佐藤明であり、『ザ・ファブル』という作品でした。

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