チ。地球の運動についての導入、または概要を詳しくレビューする。

この本のタイトルにある通り、この漫画の趣旨は地球の運動についてです。

古来世界中では地球は「止まっている」、つまり、天動説が信じられていました。そこに意を唱える主人公達による物語です。

その当時作品の舞台であるポーランドでは地動説を研究することは異端とされ、それが発見され次第異端処理組織によって死刑に処されていました。

そんな中最初の主人公が死刑になる寸前にある場所に資料を残したことで後任の主人公達がその理論を解明していくという物語です。

第一の主人公、ラファウ

タブーの海藤優

ラファウは街学校のなかで最も優れた生徒で、なかなか入学することのできない大学に合格し、見事進学することになりました。

そんな中、ラファウは地動説の研究をし捕まっている異端と遭遇します。ラファウは元々天体観測をするのが好きで、星の動きをメモするなど熱心に取り組んでいました。

しかしラファウの親、また学校全体はキリスト教(地動説を否定している)は神学について学ぶことが当たり前だと考えていました。ラファウもその予定でした。

しかし、異端に出会い天体の話を聞いた瞬間に、ラファウの考え方は100%変化したのです。そこから物語はスタートを迎えます。

ラファウはその異端を監視する任務を任せられ、ずっと異端と共に過ごしていました。異端はふと、ラファウが持っている天体観測に使う器具を目にしました。

異端はラファウに、お前も天体に興味があるのか、と聞くと、ラファウは神学を学ぶことが決まっていたのでそんなわけないじゃないですか笑、と告げた。

ラファウに向かって異端は、お前は本当は天体に強い関心があるのだろう、神学なんてやるべきじゃない、と伝えた。

実際ラファウはそう思っていたのです。異端はラファウを連れて遠い山奥に彼を連れて行ったのです。

ラファウと地動説の邂逅

実はラファウは、自宅でこっそり天体の勉強をしていた。

天動説が当たり前なこととして、地球から見た他の惑星の周回軌道を毎日観察し、その規則性を数式に当てはめられないか、と試行錯誤していました。

実際その計算式は非常に複雑で、ラファウ自身も自信を持てない結論に辿り着いてしまいます。

ラファウの父親も実は天体の研究をしている時期があり、ラファウの勉強している姿を否定することはありませんでした。その後異端と出会ってから、異端の天体の観測の手伝いをするようになった。

異端は一度その研究をしていることがバレると異端調査団に確保され、更生するまで拷問を受けていた。そのため視力が著しく低下していたため、その観測をラファウに任せることにしたのだ。

また、ラファウはもともと自分で観測をしていたおかげで、かなり正確な観測ができた。その山では観測が非常にしやすく、ラファウも楽しそうに作業に取り組んでいた。

異端はラファウに言った。「地球は動いている」、と。ラファウは言う。

「そんなわけないじゃないですか、それは神の存在を否定することに他ないですよ。」と。

その日の帰り際、ラファウはぬかるみにハマって転んでしまう。その時、夜空が回転していることがわかった。

これが地動説なのだ、と。

地動説の研究が始まる

そこから地球が回っていると言う前提でラファウは計算を始めた。しかしこれはキリスト教の教えに反する研究なのだ。

キリスト教の聖典では、神が作った宇宙は完璧なもので、それが今の天動説と合致していると言う記述があるためだ。ただラファウの好奇心は止まらず、その研究に没頭していた。

すると、衝撃の事実を目の当たりにする。煩雑だった天体周期が、至極簡単なものと化したのだ。これを発見した時ラファウは今までにない凄まじい感覚に襲われた。

しかしその研究が周りにバレてしまうと異端として牢獄入りになるため、研究した資料を燃やしては新しく次の研究を進め、燃やしては新しい研究を進め…と、日々そんな生活を送っていた。

しかしある日、その燃えカスが父親に見つかってしまう。その時点でラファウは牢獄行きを覚悟した。

しかしかつて天体観測をしていた父はそれを黙認するどころか、そのヒントになる資料をこっそりラファウに渡したのである。

その後は資料を燃やさずに研究に没頭していたラファウは、ついに異端調査団に目をつけられてしまう。

最初観測に向かった山に通い詰めているラファウの存在がバレてしまったからだ。ラファウの父は異端調査団に、「お宅のの息子さん、異端研究してるでしょ。」と告げられた。

ラファウの最期

その瞬間、ラファウは投獄を覚悟した。捕まろうとした瞬間、最初ラファウに地動説を教えた異端がラファウを庇ったのである。

異端研究が二度バレると、死刑となってしまう。つまりはラファウは研究を託されたのだ。

ラファウは急いでその山に資料を埋めに行った。後続がこの研究を続けられるためにだ。異端調査団に確保されたラファウは、調査団の一人の男と面談をした。

なぜ異端研究をしたのか、と。ラファウは言う。「真理を研究したかったからです。」と。

ラファウは窓の外の星々を見るや否や毒を飲んで自殺した。その数年後、山に埋まった資料をたまたま見つけた2人の人間が、再びその研究に励むこととなる。

地動説の研究は、このように世代を超えて引き継がれるのであった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です