漫画「ミステリと言う勿れ」は非常に不思議な魅力を持った漫画で、菅田将暉さん主演のTVドラマも人気ですね。
心理学を学ぶ大学生の久能整(くのうととのう)がひょんなことから事件に関わり、謎を解き、事件を解決してしまうという「ミステリー」のような作品でありながらも、「ミステリと言う勿れ」と読者には求めてきます。
「言う勿れ」とは「ある言葉を言ってはいけない」を意味する表現です。
とはいえ久能整が巻き込まれる事件は、殺人や誘拐などシリアスなテーマもさまざま。ただ、この漫画は「ミステリー」と一概に言えない事が読むとわかります。
目次
主人公「久能整」という人物とは一体・・・?
主人公、久能整は大学で心理学を学ぶ、ただただ普通の大学生です。特徴とすると、モジャモジャなアフロヘアがよく似合う細身ですらっとした男性。(※TVドラマで菅田将暉さんが演じている主人公です)
ただ話し出すと、とにかくおしゃべりで普通の大学生とは一味違うなと言うことがわかります。
冷静沈着、頭脳明晰、記憶力、観察眼と、「名探偵」たちが兼ね備えた能力のようなものを、整くんも持っています。
ですが、そういった名探偵の話はあくまで「事件解決」でありそのセリフ。
ところが、整くんの優先順位はいつだって「人間への興味」です。そこを優先しておしゃべりをしていたらいつの間にか事件解決への手がかりになっています。
ですが友達がいなく、家族のことになると口を閉ざすなど、生い立ちや過去には秘密があるようです。
第一話としては自分が殺人の容疑者とされているのに、取り調べにやってくる刑事たちの会話や服装などから、刑事個々の事情や問題や悩みを推察し、「おしゃべり」し始める。
話の内容としては様々で、「女性軽視の職場」「男性の子育てや家事への参加について」「娘の育て方」「過去の冤罪事件」一つ一つの話は小さなものですが、気になる話題とその話の進め方に読者は心を掴まれて気づいたら引き込まれていきます。
主人公「久能整」は物事を論理的に説明する?
事件の中で語られる「悩み」は登場人物の叫びであると同時に、社会の矛盾や理不尽、人間関係のストレスなど、現実社会にも通ずるもの。それらは往々にして「解決が難しい」問題でもある。
作中の中でも登場人物のおしゃべりはやがて「行き止まり」にぶつかる。そんな時に活躍するのが整くんです。
皆んなが「もう無理だ。」と諦めかけたその瞬間に、整くんはスッと入ってきて言葉を発します。
例えば、第一話では娘を持つ刑事の発言で「女の子はダメだ、あんなに可愛がってやったのにお父さん臭いとかウザイとか、生意気で腹が立つ、ほんと育て方を間違ったよ」と。
そこに整くんがスッと言います。
「子煩悩なんですか…?」そこで別の若手刑事が、「警察官とは思えないほど授業参観も卒業後も行ってるんです」と。またそこで整くんは言います。
「でもそれ、娘さんのせいじゃないですから。多くの生き物は父親と子供が一緒に暮らさない。そしたら子供が大人になった父親の知らずにあったりする。
だから遺伝子レベルで警戒警報を出してる。育て方を間違ったとおっしゃりましたが、その逆です。正しく育てている。育て方は間違っていない。」
娘の話でありながら、「人間としての当たり前」として論理的に説明する事で、ストンと腑に落ちる。
「犬堂我路」という男の正体とは・・・?
お金持ちのイケメン。常に冷静沈着だが、優しさを見せる一面もあります。
第二話でのバスジャックの話で登場します。最愛の姉・犬堂愛珠の死について真実を見つけ出そうと行動する。
この第二話のあらすじ、バスは老若男女数名が乗っていて久能もウトウトしていると乗客が「行き先が違う」と騒ぎ始めます。
久能も目的地である美術館に向かっていないと気付き運転手に確認しようと立ち上がった時ナイフを突きつけられるのです。
ナイフを持った無精髭の男は運転手に指示し、通報されないよう乗客のスマホを没収、カーテンを閉めさせ「バスを乗っ取らせてもらうぜ」と言い久能が乗ったバスはバスジャックされます。
バスジャック班は犬堂オトヤ。バスの目的地は犬堂家でした。それは犬堂家の人が、妹である愛珠はいつも乗らないバスに乗ってどこかに行って、それから行方不明になった。
そしてそのバスに乗っていたのがいまここになってる人であり、犯人はこの中にいる、という事でした。そしてオトヤとは従兄弟であるという事を自白した我路。
我路は執念深く、とにかく決めたことは絶対にやり遂げる性格です。
結局この話では妹を殺した?犯人を見つけることはできたものの、妹の考えは謎が深まるばかりであり、我路の調べは終わりません。
菅田将暉さん主演のTVドラマ(フジテレビ系列)も見逃せない!
漫画「ミステリと言う勿れ」は驚異的大ヒットをし、続々重版出来をしついに2022年1月よりドラマがスタートしました。主演は菅田将暉さん。
漫画と同じく、第一話から始まり久能整くんの特徴的な「おしゃべり」をふんだんに使われてスタートしました。
漫画でも感じた、痒いところに手が届くような整くんの言葉はドラマでも視聴者の心に届き、その名言が心に刺さりました。
「ミステリと言う勿れ」は「ミステリ」要素もありながらもやはり「ミステリ」と一言では言えない。「人間」の話です。
現代社会を生きる中で、ハッと気付かされるような事柄や救われる温かい言葉が多くありました。それは整くんのおかげで色々なことに気づけた話だったからだと思います。
漫画の実写化は賛否が分かれますが、私は賛成派です。
ドラマをする事でよりたくさんの人にこの原作の素晴らしさが伝わるし、その反響が漫画家さんの励みにもなると思うからです。
実際に今回のドラマでは続編を期待する声も出ているそうです。もし、またドラマが決まったら整くんの言葉がテレビで聴けるのが楽しみです。
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