『賭博黙示録カイジ』という大ヒット漫画が面白い理由を考察【ネタバレ注意】

福本伸行先生原作の大ヒットギャンブル漫画カイジが大好きで、どうしてこんなにも読者に支持されているのか魅力を自分なりに考えてみました。

主人公伊藤開司は、かなりのダメ人間として描かれているのですが、そんなダメ人間が成功を勝ち取ろうとギャンブルに没頭してなんとか勝利を掴み取ろうとするサクセスストーリーについて掘り下げて行けたらと思います。あと魅力的なキャラクターたちが数多く登場するのでそこにも触れていければと考えております。

主人公カイジの人間臭さと頭のキレ具合

主人公伊藤開司は、その日暮らしのダメ人間なのですが、この作品が人気になった要因としてカイジの人間臭さが一番大きいようにも感じます。作中でも頻繁にお人好しと言われる展開が数多く存在するので、その部分にも注目してもらうとカイジのことがより一層好きになっていくことは間違いないと思います。

まずカイジはダメ人間という設定からして、かなりの借金を抱えています。その借金を返そうとギャンブルをするのですが、そのギャンブルをするためにまた如何わしい所から金を借りてと負のスパイラルを展開していく姿が目に余ります。

ある日、知り合いの保証人になったことで利息が嵩み多額の借金を背負わされた展開には同情しましたね。金融関係の遠藤の紹介でその借金を返せる宛としてギャンブル船のエスポワールに乗船する展開にはかなりの面白さがありました。このエスポワールは初めに3つの星を配布されて、その星を3つ守り切ればエスポワールを降りることができるのですが借金を返したい輩がたくさん乗り込んでいたことで裏切りが頻発してしまいます。

ここでカイジのお人好しが発動する展開には、かなり笑いましたね。普通に乗船して今さっき出会ったばかりの奴のことを信じて呆気なく星を二つも失ってしまうので見ていてカイジにイライラが止まりませんでした。でもそこからカイジはチームを作り快進撃を繰り広げていくのでカタルシスを感じること間違いなしです。

限定じゃんけんの面白さ

エスポワールで初めてやるゲームが限定じゃんけんというものなのですが、カードを12枚配布されてそのカード4枚ずつにグーチョキパーの絵が描いてあります。そのカードをテーブルに向かい合った敵同士が一枚ずつ裏面にして出し合図と同時にめくり勝敗を決めていくという単純なゲームなのですがこれが、かなりの心理戦でとても面白いギミックがたくさんあるので見応え十分です。

カイジシリーズの中で自分はこのゲームが一番わかりやすくて好きですね。カイジはこのゲームであっさりと星を2つ失ってしまうので展開としてはかなり切迫した感じからスタートするのもいいです。

チームを作ってカイジがカードを色々な相手から買い占める展開は流石だと思いましたが、その買い占めが他の敵たちにばれてしまい誰もカイジたちと対戦してくれなくなってしまった場面にはかなりのハラハラ感がありました。

限定じゃんけんの醍醐味は出せるカードが限られているという点です。普通のじゃんけんだったらグーチョキパーどれでも出すことができますが限定ジャンケンの場合グーのカードしか持っていなかったらカード買い占めをしていたカイジたちと戦おうとは絶対に思わないので色々な心理描写が展開されていてすごく面白いです。

鉄骨渡りの恐怖

エスポワールの死闘の後にカイジが挑戦するゲームは鉄骨渡りというかなりスリリングなギャンブルです。このゲームは至って簡単、高層ビルとビルの間に引かれた細長い鉄骨の上を歩いて向こう側のビルに到達するというものです。

落ちたら死ぬという恐怖から挑戦者が誰も立候補しなかったのですがカイジの鼓舞によってみんなが奮い立つ展開に注目です。カイジは単純に鉄骨を渡ればいいと思っていたらしいのですが渡る順番というものが関係していて後ろから前の相手を押して下に落とすという展開が待ち受けていることに気がつく場面から目が離せません。

挑戦者たちの心の葛藤がすごく丁寧に表現されていて読み手の心にずっしりとインパクトを残していく福本先生の手法はさすがです。その後、高層ビルですから風の存在が挑戦者たちを阻んでいきます。風でバランスを崩したくさんの人たちが断末魔を上げながら落ちていく姿がとても切なかったですね。

そして残ったのがカイジと佐原というバイト仲間で佐原は強引に向こう側のビルにダイブして金を手に入れる権利を勝ち取るのですが、それが単なる罠だったとわかる展開には愕然としました。空気圧というものが存在していて気圧が高いと扉を開けたことで空気が外に逃げて強風が吹き荒れます。そのことを知らなかった佐原は不用意に扉を開けてしまってビルの下に真っ逆さまに落ちてしまうので死んでしまいかなりショックでした。

その光景を見ていたカイジだけが隠し階段の存在に気がつくので本当にカイジはかなりの強運の持ち主ですね。

利根川との勝負

カイジの永遠のライバルと言ったら利根川という会長の右腕的存在がまず浮かんできます。鉄骨渡りをクリアしたカイジがボーナスステージとしてやるギャンブルが利根川とのサシの勝負であるEカードというものです。

これは奴隷と市民と皇帝の3種類のカードがあり、奴隷1枚市民4枚、皇帝1枚市民4枚をそれぞれが持ち交互に一枚ずつ場に置きひっくり返します。力関係は皇帝が一番強くて次に市民最後に奴隷の順なのですが奴隷は皇帝に勝てるという特徴があります。この法則から皇帝側奴隷側を交互に入れ替えてカードバトルが展開されていくのがハラハラして面白いです。

利根川がズルをしてカイジの心拍数を腕時計の発信機に送って心理を読み取っていた場面にかなり腹が立ちましたが、この点をカイジは利用して利根川に勝つ姿は最高の瞬間です。

アニメ化、実写化している「カイジ」ですが、漫画で読むのが1番楽しいです。読んだことが無い人はぜひ一読してみてください。

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