「幽遊白書」の好きなエピソードの魅力についてのレビュー【ネタバレ注意】

自分が大好きな漫画家である冨樫義博氏なのですが、彼の出世作と言ってもいい作品『幽遊白書』の好きなエピソードのレビューをまとめてみました。

バトルに特化した話から心理戦が関係している話など多岐にわたる魅力がこの作品には存在しています。

少しでも幽遊白書に興味を持ってもらいたいので自分の想いを誠心誠意書き記していきたいと考えています。

魅力的なキャラクターが豊富に存在しているので、ファンの気持ちを考慮してマイナスな部分は極力書かないよう配慮しながら書きたいと思います。

初回のエピソードで主人公があっさり死んでしまう話

主人公の浦飯幽助は不良の中学生なのですが、かなりの問題児で学校でも教師たちの間で酷く問題視されている人物です。

そんな彼が、ある日道を歩いていると小さな子供がボールを追いかけて車道へと出てしまい交通事故に遭いそうになる展開に遭遇します。いてもたってもいられなくなった幽助は子供の身体を押して自分が身代わりに轢かれて死んでしまいます。

初めの段階では死んだことに気づかずに、あたふたする展開が描かれるのでその部分もとてもリアリティがあり面白いです。

そうこうしているとあの世の使いとして、ぼたんという船のオールに跨った謎の女性がやってくるのですが、そのぼたんが話す内容がさらに興味深いです。ぼたんは今回の幽助の死がイレギュラーだったので、生き返るための試練を受けろと語り出します。

幽助はこの世に未練なんかないと言って死ぬことを選ぼうとするのですが自分の葬式を見たことで気持ちが変わる展開から目が離せません。

母親や幼馴染が心から自分のことを愛していたのだと実感するので読者としても、この場面は色々と共感してしまいますね。

でも生き返るための試練というのも、かなりハードで謎の卵をコエンマから貰い丁寧に育て上げるというものなのですが、現世で幽助の肉体が火事に巻き込まれて幼馴染の螢子が幽助の肉体を助けようと死にそうになった場面で卵を使えば助かるけど幽助は生き返ることができなくなるという二者択一を迫られる展開は必見です。

幽助は躊躇することなく螢子を助けるために卵を放り投げるので彼の想いがとても強く表現されていたかと感じます。

幽助が霊界探偵として働くエピソード

あの世から生き返ることに成功した幽助が、ぼたんの頼みで霊界探偵として働く話があるのですがそのエピソードがとても面白いです。

霊界の七つ道具をある妖怪に盗まれて幽助がそれを取り返しにいくのですが、すごく先の展開が気になって仕方がありませんでした。

飛影、蔵馬、剛鬼の3人がそれぞれ盗んだ霊界のアイテムを所持しているのですが、それぞれがかなりの手練れで幽助がかなり苦戦する場面は必見です。

初めに剛鬼という大男と戦うことになるのですが身体が鋼のように硬くて幽助の戦闘力では全くと言っていいほど歯が立たないので倒すのにかなり苦労します。

ですが幽助の機転で口の中までは鍛えられないという発想から口の中に霊丸を打ち込んで倒すのでかなりの爽快感があります。

そして、蔵馬の存在です。彼は戦いを嫌っていて一番幽助に対して敵意を向けていない人物です。

盗んだアイテム千年鏡の力を使い病気の母親を治したいと考えているので非常に好感が持てるキャラクターですね。幽助も蔵馬の純粋さに心を打たれて力を貸す場面が印象的です。

千年鏡の力を使うと使った人物の命と引き換えに願いを叶えてもらえるのですが、蔵馬が死ぬとわかると幽助も自分の寿命を半分分け与えるから蔵馬の命を助けてくれと千年鏡に頼み込むシーンはかなり見応えがありました。

テリトリーの存在と海藤とのバトル

幽遊白書の物語は中盤以降になると霊力だけでなくテリトリーという謎の能力が登場するのですがそこでの展開がとても面白いんです。中でも海藤と蔵馬のバトルは必見です。

どんなバトルかというと、海藤の領域の中に入ってある言葉を言った場合魂を取られてしまうというものです。これは海藤の能力でタブーと言うらしいです。

そして、蔵馬と海藤は同じ学校の秀才同士と言う設定も胸熱な展開です。蔵馬が学力テスト1位で海藤が2位という下剋上みたいな感じも話の裏テーマとしてあるのがいいですね。

その後、蔵馬がゲームのルールを提示します。一分ごとにタブーが増えていくというもので、簡単に言うと五十音順に使える言葉が一分ごとに減っていくと考えた方がいいかもしれませんね。

海藤と蔵馬がお互いに牽制し合って言葉のやり取りをしていくのが、すごくハラハラします。ちょっと間違えばタブーを言って魂を抜かれてしまうかもしれないという緊張感が伝わってくるので最高です。

冨樫義博先生が、かなり緻密に物語の展開を考えていなければこの話は生まれなかったと思うので絶対に見逃せません。

バトルの結末には蔵馬の秘策として変顔で海藤を笑わせて無理矢理タブーを言わせるという荒技も見ることができるので非常に満足できるエピソードになっていると個人的には感じます。

ゲームバトラーとの戦い

仙水という敵キャラがいるのですが彼の巧みな話術で騙されてしまった子供がいます。それが天沼という存在です。

頭のいい天沼は同級生たちと話が合わずに仙水と仲良くするようになります。そして、仙水の悪巧みに乗ってしまい利用されてしまう姿に切なさがありましたね。

天沼はテレビゲームを用いた能力で幽助たちと戦うことになります。

その後、ゲームに負けたら死ぬということを知らなかったことから天沼は最後命乞いをするのですが仙水の悪巧みを阻止するためには時間がないことから心を鬼にして蔵馬が心理戦に持ち込んで天沼を殺す姿にかなりのインパクトがありました。

この戦いのせいで蔵馬の心に仙水への憎悪が込み上げるので、その気持ちの変化を見るのも興味深いポイントです。仙水がいかに冷酷非道な存在なのか、この部分を見ただけでわかるのでそういう部分も非常によく考えられています。

元祖「バトル漫画」として人気の『幽遊白書』をまだ読んでいない人は一読してみてはいかがでしょうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です