休載が頻発している稀な作品HUNTER×HUNTERがどうして今尚読者たちから見放されずに連載再開を熱望されているのかを考えてみました。
冨樫氏が考える世界観、設定、キャラクター、バトル、心理描写など多岐にわたる魅力に包まれた作品なので人気になる要素は沢山あります。
それらの要素をまとめて記していきたいと思います。物語の緻密さから週刊連載するのが、どれだけ難しいことか自分の気持ちを混ぜつつ書いていきます。
メインキャラクターの魅力と背景の存在
HUNTER×HUNTERという作品の主人公はクジラ島出身のゴン=フリークスという12歳の少年なのですが彼を取り巻くメインキャラクターの魅力がとても高い作品です。
まずクルタ族の生き残りクラピカです。彼はハンター試験に向かう漁船でゴンと出会うのですが、とても戦闘能力が高く頭の良いキャラクターです。自分の同胞を幻影旅団という盗賊に虐殺されたという過去を持っており、その復讐に燃えている姿は印象的です。
次にレオリオです。彼は医者になる事を志しており友人の命を救えなかった事で医師になる事を決心します。彼ともハンター試験に向かう漁船でゴンとクラピカと出会うので、かなり初期の頃から登場するムードメーカーといったところでしょうか。
そして、ゴンのパートナー的な位置付けのキルアです。彼はゾルディック家という暗殺一家のエリートでかなりの戦闘能力を有しています。人を殺す事に躊躇がない部分も魅力の一つです。しかし、ゴンと関わる事で殺し屋という仮面を外し元の純粋な少年に戻るので、その成長が見どころの一つです。
最後に奇術師ヒソカの存在です。ハンター試験で初めてゴンたちの前に姿を表すのですが本当に不気味な存在で次々とハンター候補生たちを殺していくので恐ろしい人物です。ゴンのことを獲物として見張っていて、強い使い手になるまで殺さずに生かしておくという精神はかなり変わっています。
考えられた念能力の緻密な設定
HUNTER×HUNTERという作品には特殊能力として念能力というものが存在します。この設定があることで作品全体に張りが出ている感じは否めません。まず念能力は基本の四大行があるのですがこの設定がすごく考えられています。
まず纏です。これは身体に流れているオーラを留める技術です。これによって常人は若さを保つことができるといいます。
次に絶です。これはオーラを完全に絶つ技術です。存在感を消すときなどに役立ちます。
そして練、これはオーラを生み出す技術です。
最後に発、これはいわゆる必殺技のようなものです。これが基本なのですが上級になると堅や硬、円や凝、流などさまざまに発展していく形態がとても面白いです。初めのうちは覚えるのに苦労しますが一回覚えてしまったらすごくバトルが楽しくなってきます。
そして、それぞれの念能力者には生まれ持っての系統に分かれているというのも注目ポイントです。強化系や変化系など血液型のように別れているのがとても興味深いです。
あとキャラクターたちにはそれぞれ必殺技が存在しているのも魅力的です。
主人公のゴンはジャジャン拳と言うジャンケンをモチーフにした念能力でバラエティに富んでいて非常に面白い技です。クラピカは鎖を具現化して五本の指にそれぞれ違う能力を宿しています。キルアはオーラを電撃に変えていたり、ヒソカはオーラをガムのようにして戦うスタイルだったり面白いです。
ヒソカが常に言葉にする「念は奥が深い」というワードはこの作品を読んでいると言葉の意味がよくわかります。
クラピカの復讐相手、幻影旅団の人気
クラピカの同胞たちの敵でもある幻影旅団の存在がHUNTER×HUNTERの人気の維持にもつながっていると思います。
まず団員たちは13人いるのですがその全てのキャラクターたちが人気という恐ろしい集団です。中でも人気なのが団長であるクロロ、次に冷酷非道なフェイタン、クールな魅力のマチなどでしょうか。
この中でも圧倒的に人気なのが団長のクロロです。彼の念能力はスキルハンターという相手の念能力を奪う能力で盗んだ相手が死なない限りその盗んだ能力を使い続けることができるというかなりチートな能力です。
しかし、この能力にはかなりの制約があり盗むまでにいくつかの条件をクリアしないといけないということなので非常に厄介です。
クラピカが所属していたノストラードファミリーのボスの娘がクロロと接触してラブリーゴーストライターという予知ができる能力を盗まれた姿は忘れられません。天空闘技場でクロロは元団員でもあるヒソカと戦った場面は必見です。この戦いでクロロは団員の能力を借りてスキルハンターに仕舞ってちょっとした反則をしながらヒソカを倒した姿は見応えがありましたね。
おそらく旅団の中で二番人気なのがフェイタンです。彼は鋭い目つきの暗殺者です。戦闘能力はかなりのもので念能力であるペインパッカーは全てのものを焼き尽くす能力で仲間である団員を道連れにしようとした前科がありました。
彼が人気な理由に代わった言葉遣いという部分があると思います。全ての語尾に「ね」というワードを用いていくのですごく魅力的に見えて来ます。
心理が関係するバトル展開
HUNTER×HUNTERの作品は他のバトル漫画とは少し違っていて相性の問題で勝ち負けが決まる感じが魅力です。
それの代表的な戦いがクラピカ対ウボォーギンのバトルです。ヨークシンシティでの決闘はファンの間でも、かなり好評で人気があります。クラピカは具現化系でウボォーギンは強化系です。力の戦いだった場合クラピカに勝ち目はありません。
ですがクラピカは鎖に特殊な性質を付加してウボォーギンを拘束し絶の状態にして倒します。なので力が強いだけでは勝てないという部分が面白いポイントです。
しかもこの戦いでクラピカはエンペラータイムというチート級の能力を使って全ての系統能力を100%引き出していたとわかる場面は必見です。このエンペラータイムはクラピカの寿命をどんどん削っていくので、かなりリスキーな能力だとわかる設定は見逃せませんね。
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