皆さま、コミック&アニメで大人気の「ジョジョの奇妙な冒険」を楽しんでますか。
世界的人気を誇り、2022年には待望の第6部「ストーンオーシャン」がアニメ化されるなど、ファンの熱気はここに来て頂点を迎えています。
ところが、この「ストーンオーシャン」、非常にスタンド能力が難しく「意味がわからない」「途中であきらめた」というケースが多い作品なのです。
そこでここでは、挫折しがちなスタンド能力を出来るだけわかりやすく解説してみました!
参考にしていただければ幸いです。
目次
主人公の相棒エルメェス・コステロ「キッス」は2つの能力持ち
エルメェスのスタンドは「キッス」。
スタンド本体は人間型をしており、エルメェス自身の手のひらからはキスマークの付いた「シール」が出てきます。
この「シール」を貼り付けた「モノ」は、もう1つコピーを作り出すことが出来るのです。
実際、エルメェスはこの能力を使用し、なんと自らの鼻を複製。そうすることで溺死を回避することに成功しました。
ところが「キッス」のスタンドはそのコピー製作能力よりも、「シールを剥がす」点が抜群に優れているのです。
コピーを製造したあと、エルメェスがシールを剥がせばコピーは消失します。
そして、2つの物体は元の1つの物体に戻ります。
そのときに物体同士は激しく衝突し、爆発を起こすのです!
ではオリジナルとコピーの距離をうんと離しておくとどうなるかというと?
超高速で互いが引き寄せ合い、復元から爆発を引き起こします!
「キッス」のメインの能力はむしろこの「超高速での復元からの爆発」にあるのです。
どれほどオリジナルとコピーが離れていても、必ず引き寄せ合う。
まるでスタンド使いですね!
しかも爆発を引き起こしますから、これによって敵を殲滅することも可能です。
加えて人間型スタンドも破壊力が強く、相手を殴ることでダメージを与えることも出来るという優秀スタンドであることも忘れてはいけません。
この後半の能力が使い勝手が異常に良いため、エルメェスは終盤で大活躍します。
同時に読み手や視聴者を混乱させるのです。
「キッス」はコピー能力がメインのスタンドではありません!
復元スピードと爆発能力。これが注目すべきスタンドなのです。
ウェザー・レポートの最終奥義「ヘビー・ウェザー」のカタツムリ
連載当初から困惑させたスタンド「ヘビー・ウェザー」。
これは記憶喪失のウェザー・レポートが記憶を取り戻し、発動させることが出来るスタンドです。
「ヘビー・ウェザー」はあらゆる場所に虹を発生させます。
そして、物体がその虹にふれるとカタツムリが発生するのです。
これだけだと平和なスタンドと思えるでしょう。
ところがこのカタツムリ、雌雄同体ということもあって大量に増えていきます。
さらにこのカタツムリに触れた人間は、カタツムリに同化しやがて自身もカタツムリとなってしまうのです!
ここで読者と視聴者は混乱します。
「天候を操作するウェザー・レポートが何故こんな超能力を使うの?」と……。
実はヒントは冒頭の虹にあります。
「ヘビー・ウェザー」は空気の屈折率を変え、人間の潜在意識にカタツムリの幻を刻み込むスタンドなのです!
「ウェザー・レポート」は天候を操作するスタンドです。
天候を操作するということは、空気の水分量や圧力を変動させることが出来ます。
そして「ヘビー・ウェザー」はさらにそれを強化し、人間の視界に直接働きかける幻覚を生み出すのです。
「幻ならそれを知った人間に害はないはずでは」と思われる読者の方。
そこがこのスタンドの難しい点です。
この「ヘビー・ウェザー」のカタツムリは人間の無意識に働きかける画像。
作者が説明で書いたサブリミナル効果のように、認識を免れることは出来ないのです。
「ヘビー・ウェザー」を終わらせるためには、カタツムリが天敵・マイマイカブリに食われるか、スタンド本体であるウェザー・レポートの命を絶つしかありません。
ウェザー・レポートはこの世の中に大きな怒りと憎悪を持っています。
スタンドは精神力の発現です。
彼の怒りの力は、この世のあらゆるものに襲い掛かり、ついに効果を発動してしまったのでした。
はてさて、本作ではどのようにこの能力を切り抜けるのか。
この行方も「ストーンオーシャン」の魅力となっています。が、同時に多くの脱落者も生み出してしまう可能性があるのです……。
プッチ神父+緑色の赤ん坊のコラボ「Cムーン」は超難解!
第6部のラスボス、プッチ神父。
彼はもともと記憶とスタンドを奪う「ホワイトスネイク」をスタンドとしていました。
しかしディオの骨から生まれた緑色の赤ん坊と「ホワイトスネイク」は合体。
新たなスタンド「Cムーン」を発動させることになります。
そのためスタンドの外見は「緑色のホワイトスネイクの豪華版」です。
「Cムーン」の能力は、重力反転です。
重力は普段、我々が意識することはありません。ゆえに、このスタンドの難解ポイントとなっています。
どうして車が徐倫たちに向かって飛んでいくのか?
徐倫の肉体が裏返ってしまうのは何故か?
これは全て重力のせい!ということになります。
もちろんここで何となく終えることも出来るのですが、あえてここは荒木飛呂彦先生の取材力と表現力をより感じとるために、重力について考えてみましょう!
とは言え考えることはそれほど難しいことではありません。
われわれの肉体は常に、地面に向かって「重力」で引っ張られています。
ではこの「重力」が引っ張るのをやめ、反対に「噴出」したとしましょう。
われわれの肉体は、天高く放り投げられてしまうのです。
さて「Cムーン」はプッチ神父の周辺だけ重力操作を可能としたスタンドです。
冒頭で車が徐倫たちに向かってくるのは、「Cムーン」によって重力操作された車がプッチ神父によって跳ね返されているからです。
さらに徐倫の指が裏返ってしまうのも、指の肉が重力によって巻き上がってしまうからなのです。
こうしてプッチ神父は重力を自由自在に操作できる能力を手に入れました。
ところがこの強さも、徐倫の機転によって破られます。
そこでさらに進化したのが、「メイドインヘブン」です。
「メイドインヘブン」は「時を加速させる」スタンドです。実はこれ、「Cムーン」と強い関連性があります。
「Cムーン」は重力、つまり地球での「重さ」を操作するスタンドでした。
重力が反転=少なくなっている場所では、時間が早く進むのです。
これはアインシュタインの「一般相対性理論」に基づいています。
近年では東京スカイツリーでも証明されました。
つまり「Cムーン」の進化系が「メイドインヘブン」で、それは唐突に具現化したスタンド能力ではなかったのです。
このあたりは読者ポカーンとなるのが当然と言えます。
少年ジャンプを読むためには、勉強も必要だったのです…!
なぜ難解スタンドを理解する必要があるのか?そこに情熱があるから!
ジョジョのスタンド能力は、初登場3部のときより格段に難解になっています。
序盤は攻撃力特化、潜航型、念写型などシンプルなものでした。
ところが、3部のディオの「ザ・ワールド」の時間操作系が登場したことで、確実にスタンドは複雑なものへと変化しています。
4部の吉良吉影「キラー・クイーン」、5部のディアボロ「キング・クリムゾン」は時間と因果を操作するスタンドです。
このあたりから一気に難解スタンドが増加しました。
このような難解スタンドは、読み飛ばしたり勝敗結果だけを知ることも可能です。
ですが、ジョジョの魅力は「荒木飛呂彦氏の情熱的表現」にあるのではないでしょうか?
それは、スタンドの能力や設定にも十分に!描かれているのです。
絵的表現だけでは勿体ありません!ぜひ、難解スタンドの謎も楽しむことをおすすめします。
そうすればさらにジョジョにハマること間違いありません。
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