平凡な主人公・佐藤太郎の家にやってきた礼儀正しい奇妙な人型の生き物。
額には小さなツノ、耳には拡張したピアス、爪は真っ黒に塗られていた。
【悪魔】と書かれた名刺を差し出し、佐藤の家に上がり込む。
佐藤はそんな悪魔の奇妙な外見に「クスリやってるやべぇやつ」と危機感を抱き、さっさと帰ってもらうために悪魔の話を聞くことにした。
悪魔のフィンガースナップ(指パッチン)と共に、テーブルの上に現れたバイカラーの小さなボックス。
どうやって出したのかと驚く佐藤に、手品ではないと笑った悪魔。
「ご当選おめでとうございます」
国民ボタン どちらも押さないという選択肢は?
小さなボックスについているふたつのボタン。
佐藤がそれを押す【選択者】に選ばれたのだと言う。
それは、片方を押しても何も起こらず、もう片方の「ハズレ」のボタンを押すと、日本国民全員が死ぬというとても恐ろしいものだった。
期限は1ヶ月。
1ヶ月後の7月25日までに必ずどちらかのボタンを押すようにと悪魔は言いました。
とても恐ろしいことを聞かされている佐藤は、悪魔の風貌と眼差しからそれが冗談だと笑い飛ばすことはできず、真剣に悪魔の話を聞いていました。
佐藤は冷や汗をかきながら、どちらも押さなかった場合はどうなるのかと悪魔に訊ねます。
悪魔は少し俯き「押さなかったら・・・」と、その選択も可能、と明るい未来を伺わせるような素振りを見せました。
「やはり日本国民全員が死にます」
舌を出し挑発するような表情で、必ずどちらかを押さなければならないと言う絶望を佐藤に告げた悪魔は「悪魔の考えたゲームだから当然のこと」だと言いました。
佐藤は「そんな怖いボタン押せない」と悪魔を家から追い出し、箱を投げつけ玄関を閉めてしまいます。
ところが、部屋に戻った佐藤はテーブルを見てびっくりしました。
テーブルの上には、さっき悪魔に投げつけたはずの箱があったのです。
警察・SNSで箱の情報を探す佐藤
捨てても必ず佐藤の元に戻ってくる箱。
それを気味悪がった佐藤は警察に相談しますが「箱が送られてきただけでしょ?」と軽くあしらわれてしまいます。
成す術がなくなってしまった佐藤はネットでなら情報を得られるかもしれないと思い、SNS・つぶやいったーに写真付きでツイートしますが、そこに寄せられる情報は何もありませんでした。
「A国内で国民が全員死亡しており・・・」
テレビから流れてきたニュースに釘付けになった佐藤は、テーブルの上に置かれた箱を見つめました。
溢れ出る冷や汗、心臓が押し潰されそうなほどに大きな鼓動を鳴らしている描写にドキリとしてしまいました。
困り果てている佐藤の元に【内閣官房・箱型装置対策推進室】の梅鉢と名乗る女性がやってきました。
梅鉢の手帳には【陸上自衛隊】の文字があります。
「あなたがSNSに投稿したこのボタンについて」
中にありますという佐藤の言葉に、梅鉢の後ろに控えていた自衛隊員たちが一度に佐藤の家の中に入りました。
佐藤の保護を目的とし佐藤に同行を求めた梅鉢は、車内で悪魔の箱を観察し、そのスイッチを押してしまいます。
佐藤は、胸が苦しいと言いながら汗とよだれで顔をぐちゃぐちゃにしました。
佐藤以外が押しても反応しないボタン
苦しかったのは佐藤の思い込みと勘違いで、梅鉢は「佐藤さん以外には反応しない」から安心しろと言いました。
佐藤と梅鉢は車内で悪魔の箱について、現時点でわかっていることを確認してきます。
・調べでは8つの国でボタンが確認されている
・ボタンを必ず押さなければならない
・ハズレを押すと全国民が死んでしまう
・押さなかった場合も死ぬ
・悪魔の箱を破壊し中身を確認しようとした国の国民が死亡
佐藤は、悪魔から聞いていた内容もあると梅鉢に伝えます。
刑務所のような部屋に案内された佐藤は、梅鉢がつけたテレビで日本政府の緊急会見を視聴しました。
A国で見つかった悪魔の箱が日本でも確認されたこと、ボタン保持者(佐藤)は政府が保護していることを伝える内容でした。
悪魔の箱の写真をSNSにアップしてしまった砂糖の情報はすぐに特定され、本名・家族構成・出身高校・住所といったありとあらゆる個人情報がネット上に晒されてしまいます。
マスコミに追いかけ回される両親、一般人に襲われて怪我をする弟…
家族を心配する佐藤に、梅鉢は「我々が用意した隔離施設で家族を保護している」と、状況の説明します。
佐藤は「家族に会いたい」と言いますが、梅鉢は「また後日機会を設けます」とだけ佐藤に告げました。
政府・国民から賞賛された佐藤と第二回戦
正解のボタンを押した佐藤でしたが、それで終わりではありませんでした。
再び佐藤のもとへやってきて「この一か月で世界の人口は半分になった」と無表情とも笑顔ともとれる表情で言う悪魔でしたが、佐藤は悪魔に感謝することもあったようです。
このまま終わる短編漫画かと思いましたが、再び悪魔は指を鳴らし、佐藤の前には【悪魔の箱】が。
悪魔の言う第二回戦は、国民参加型という新たなルールが追加されています。
それは、ボタンを押したほうが国民の半数を越えなければ日本国民全員が助かり、押した方が半数を超えた時点で「ボタンを押してない人は全員死ぬ」というものでした。
現在はストーリーが進んでおり、ボタンを押した人を狩る黒ボタン狩りという組織も登場しています。
押下率49%のところで残り30秒からカウントダウンが始まり【00:00:00】で12話は終わっています。
このまま日本国民は助かるのか、それとも全員死んでしまうのか。
先が読めない展開になっています。
佐藤が悪いわけではないのに佐藤を責めて罵倒してしまう国民や、SNSから発展してしまう私刑のような事件がとてもリアルに描かれており、人間の恐ろしさを感じることができました。
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