大人気漫画家集団CLAMP作品の一つ×××HOLICについての印象的なエピソードを紹介していきたいと思います。
謎の店の店主壱原侑子とその店のバイトである四月一日君尋の関係が色濃く描かれている作品です。
店にやってくるお客は何か悩みや問題を抱えている人たちばかりで、侑子がそのお客の願いを対価と引き換えに叶えてあげるという内容になっています。
救いがあるエピソードもあれば、最悪の状況になってしまう展開もあり先の展開が全く読めない物語作りはCLAMPならではです。
個人的に好きなエピソードをまとめてみましたので参考にしていただけると幸いです。
嘘をつく事が癖で小指が動かなくなるお客の話
ある日、侑子の店に歯科衛生士の女性がやってくるのですが、どうして侑子店に来てしまったのか本人はまるでわかっていない感じがとても興味深く映ります。
「引き寄せられるように店に来てしまった」とその女性は話すので、それだけ女性が抱えている問題が大きいという事がわかります。
侑子はその女性を見るや否や「あなたには直せない癖があるんじゃない?」と質問をするのでその場面から目が離せません。
その女性は全く自覚がないようで嘘をつく事が癖だと思っていないことがわかるのでかなり重症です。
そして、女性は指が最近動かなくなってきたという悩みを打ち明けるのですが、そこでの侑子の発言に注目です。なんと「小指は何をする指なのかを考えるべき」と助言するのです。
この場面を見て一瞬で指切りという約束事のおまじないが頭をよぎりましたね。
気休めとして女性に対して古ぼけた指輪を侑子は差し出して帰ってもらうのですが、女性がその指輪をつけた事で嘘をつくと指輪が汚れていく展開は見逃せません。
女性が街で昔の知り合いに、たまたま出会ったときに指輪を見られて婚約者がいると嘘をついてしまうのですが、それが原因で指輪は更に黒ずんでいきます。
黒ずんだ指輪を拭こうと不意に指輪を外してしまった事で女性は黒い煙に包まれて身動きが取れなくなって交通事故に遭ってしまう展開に驚きを隠せません。
なんとか命は取り留めるのですが、自分が嘘をついた事でこのような結果になったとは、まだ気が付いていない女性の姿が少し切なく感じましたね。
しちゃいけない事をしてしまう悩みを抱えている女性の話
ある日、侑子の店に1人の女性がやってくるのですが、その女性の悩みがとても考えさせられます。
してはいけないと思っている事をあえてしてしまうという悩みです。誰でもそういう気持ちになることはあると思います。
例えば静かな美術館で大声を出してみたくなったり、人からもらったプレゼントを突き返したりなど人の道理に反していることはなかなかできないですよね。そういう事をこのエピソードに出てくる女性客はやってしまうというのです。
絶対に正しいと分かっている選択肢があっても逆の方を選んでしまうと言います。
そして、目の前にあるコーヒーのカップを掴んで侑子にぶちまけようとしたその瞬間、侑子はそれを見破っていて指摘する姿がとても格好いいです。
侑子はその女性に「もし宝くじで三億円当たったらどうする?」と謎の質問を投げかけるのですが、女性はすぐさま「換金はしないと思います」と返答するので色々と思惑が渾然一体となっていて見応え十分です。
その後、侑子は赤い伊達メガネを特別なメガネと言って彼女にプレゼントします。
侑子はこの眼鏡をかけ続ければ正しい選択を導いてくれると話して2人のやりとりは終わります。
それから侑子は助手である四月一日に例え話を持ちかけるのですが、その話もとても興味深いです。「ある日、道を歩いていたらある人から百兆円あげると言われたらどうする?」と質問するのですが、四月一日は即答で「受け取らない」と答えます。
幸せを受け取れないとは、それに見合っただけの努力をしないといけないという事を侑子が教えてくれるので必見です。
占いをしに侑子と四月一日が出掛ける話
侑子と四月一日が占い師の館を訪れるのですが、そこに居たのは侑子が知っている占い師ではない別の占い師がいて困惑する展開が面白いです。
その占い師は四月一日のことを占うのですが、開口一番「あなたのお父さんは、なくなっていませんね」という意味深な発言をするのです。
この質問に四月一日は「父親は幼少の時に死んでしまっていない」ということを口走るのですが、これは完全にトリックで占い師にしてやられている展開は必見です。
後にわかるのですが、この占い師は完全なるばったもんで侑子が呆れた表情を浮かばせるので見逃せません。どうしてばったもんかと言うと発言が、どうとでも取れるようなことをつらつらと話すので占っている事にはならないと言うのです。
占いの最中に四月一日は妖が見えることが悩みだと思っていたのに占い師の方は完全に恋の悩みだと勘違いして発言するので本当に滑稽でおかしな展開です。
その後、侑子は本物の占い師のところに四月一日を連れていくのですが、やはり本物だけあって初めて会う四月一日の人となりなどをズバッと当ててしまう展開には驚きましたね。
統計学を用いたばったもんの占い師とは次元が違う雰囲気に四月一日が驚愕しているのがすごく面白いです。
やっぱり本物の占い師には、それ相応のオーラのようなものが纏っている感じがあるとこの話を読んで改めて感じましたね。
キツネのおでんを食べる話
ある日、四月一日は百目鬼の弓道の試合の帰りに、おでんの匂いに誘われて屋台のおでん屋に迷い込む展開がとても面白いです。
謎の空間で屋台がひっそりとやっているので店には独特の雰囲気があります。店主を見てみるとなんとキツネがおでんを作っているので、かなり興味深い展開です。
このキツネのおでんは、妖の世界ではかなり有名で侑子も顔馴染みだと言う事がわかるので尚のこと興味津々でした。
このおでん屋のおでんを侑子にお土産として持ち帰るのですが、侑子がキツネのおでんが久しぶりに食べられるとわかりハイテンションになる姿がとても面白く描かれます。
後日、おでんのお土産の重箱を返しにいくのですが、そこでも妖に追われてしまう四月一日の災難さにかなり笑える事間違いなしです。
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