漫画『ゴールデンカムイ』はキャラがとにかく魅力的!今後の展開は?

いよいよストーリーが終盤に差し掛かってきたということでも話題になっているのが、野田サトル氏が描く『ゴールデンカムイ』です。

北海道に眠る金塊をめぐり、大日本帝国陸軍第七師団と、アイヌ民族、そしてそれを狙って網走監獄から脱獄してきた脱獄囚たちが互いに騙し合い、殺し合いをしながら戦っていくというのがメインの漫画です。

現在、ヤングジャンプにて連載されており、このゴールデンカムイを通じてアイヌ民族に対する興味を持ったという方も少なくないのではないでしょうか。

ゴールデンカムイが描く魅力的な北海道の大自然

ゴールデンカムイの舞台は主に北海道と樺太、そしてロシアです。

この漫画の中では、それぞれの地域の大自然、生き物たち、そしてそこに住む民族たちの生活様式などが非常にリアルに描かれています。
こんな生き物がいるのか、これも食べられるのかなど、驚くことも多いでしょう。

特に、ヒグマやエゾシカ、アザラシといった大型生物たちとの共存の仕方や倒し方なども詳しく紹介されており、いかに各民族たちにとって欠かせない生き物なのかということがよく伝わってきます。

漫画のタイトルにもある『カムイ』というのは、アイヌ語で言う『神様』のことです。アイヌでは、八百万のように、色々なものや生き物をカムイとして尊重しており、倒して食べたり皮を剥いだりする際にも決して無駄にしません。場合によっては、神様のもとに送る儀式をすることもあるのです。

また厳しい自然の中でのサバイバルもこの漫画の魅力の一つと言えるでしょう。雪山での生き残り方や、罠の仕掛け方、吹雪に遭った際の火の起こし方、簡易小屋の作り方なども登場してきますよ。木の実や木の枝、皮などを選別して色々な用途に使い分ける術も、漫画を読みながら学べてしまうのです。

かなり特殊な状況ではありますが、真冬の北海道を旅する際、万が一の時に役に立つ知識も満載ですよ。

淘汰されつつあるアイヌ民族へのリスペクト

アイヌ民族というと、北海道に住む少数民族というイメージが強いですよね。

『ゴールデンカムイ』を語るに当たり、絶対に欠かせないのがアイヌ民族なのです。そもそも発端となった金塊はアイヌ民族たちがひっそりと集めてアイヌ民族のために使おうとしていたものなのです。それが「のっぺらぼう」が作った暗号の場所に隠されたことによって物語が動き出すわけです。

主人公は元陸軍退役軍人の「杉元佐一」とその相棒、アイヌの少女「アシリパ」です。和人とアイヌ民族同士なので、当然、言語も違えば生活習慣も全く違ってきます。杉元は、アイヌ民族の生活様式をとても素直に受け入れ、動物の脳みそや目玉の生食にもチャレンジしては食レポまでしてくれます。

肉や内臓を叩いてつみれ状にした「チタタプ」や、汁物にした「オハウ」など、興味深いメニューがどんどん出てくるのもこの漫画の醍醐味です。

ヒグマ、シャチ、シロイルカ、鹿、ウミガメやうさぎなど、和人では食べる習慣のない動物のお肉もとても美味しそうに描かれているので、一体どんな味がするのか気になって仕方がありません。

一方で、アイヌには味噌文化がありません。初めて見た味噌を「オソマ(うんこ)」と勘違いして食わず嫌いだったアシリパさんも、杉元がアイヌ文化を受け入れているからと、負けずにチャレンジし、見事その味の虜となってしまうのです。

魅力的なキャラクターたちがてんこ盛り!

『ゴールデンカムイ』の中に登場してくる人物には、仲間になるものもいれば、当然敵も多数います。

凶悪犯や殺人鬼、いわゆる変態のレッテルを貼られても仕方のないような強烈なキャラも登場してきますが、何故かどのキャラも大変魅力的なのです。どこか愛嬌があって憎めない、そんなキャラクターたちもゴールデンカムイの大きな魅力の一つでしょう。

また、圧倒的に濃いキャラクターたちが揃っているのが陸軍第七師団のメンバー達です。

既に第七師団内のメインキャラクターたちの過去編も描かれており、それぞれが抱える闇も見えてしまっているわけです。過去や、家族構成などを詳しく知ることで、より深く感情移入してしまうのです。

それでいて、皆どこか本心を隠しているので、現在どういった思惑で金塊探しに参加しているのかというのも、ストーリーの肝となってきています。

たった今まで仲間同士で同じ釜の飯を食べていた相手が、ページをめくった瞬間敵側になる…というシーンも一度や二度ではありません。

「え!?敵側だったの?」「何、今のセリフ!?」と驚かされることも非常に多いのがゴールデンカムイなのです。

今後の展開によっては、また敵味方がコロコロ変わってくるかもしれません。ますます目が離せませんね。

しっかり練られたストーリー

前述の通り、既に物語は終盤に差し掛かってきています。

これまで少しずつ描かれていた伏線も少しずつ回収されてきており、あの時の○○にはこういう意味があったのか、あれは実はこういう意味だったのかと、もう一度改めて読み返したくなることでしょう。

しかしまだまだ、明らかにされていない謎も多く残っており、果たして金塊は見つかるのか、誰の手に渡るのかなど今後の展開から目が離せません。いわゆるラスボス的な立ち位置である鶴見中尉の思惑も気になるところです。

そしてやはり気になるのが一体誰が生き残るのかという点でしょう。

まさに生死をかけた金塊争奪戦なので、思わぬキャラクターが死亡してしまう可能性も非常に高いのです。

そういった点でも、ラストスパートから目が離せない、おすすめの漫画ですよ。

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